日曜の昼下がりに自宅にてamazon primeで無料映画を観た。時間があったので何か映画でも見ようと思ってamazon primeのサイトを覗いてみたら1ページ目に昔TVで見た覚えのある映画の表題が目についた。監督ジャック・カーディフ、出演マリアンヌ・フェイスフル, アラン・ドロン、1968年英仏合作、原題The Girl On A Motorcycle。
主演のマリアンヌ・フェイスフル(1946年〜)が素晴らしく魅力的である。歌手だった彼女が初めて映画主演した作品であるようだ。彼女はローリング・ストーンズのミック・ジャガーの恋人としても有名だった。ただその期間は1966年から70年くらいと短かくちょうどその頃の売出し中の時期の作品である。
ストーリーは結婚後も大学教授との愛のない性的な関係を続ける悩める美しい女性を描いていて、バイクで走るシーンが全編の半分以上を占めるという特異な映画である。フランスのアルザスにある自宅の夫のいるベッドから早朝に抜け出してバイクに乗って愛人のいるドイツのハイデルベルクまで突っ走るというもので、数百キロの田園地帯を走りながらいろいろな過去の経緯が語られていく。
結局は途中で事故にあって死んでしまうという悲劇ではあるが、女性の恋心の本質的な部分が描かれているようで奥深いものを感じるのだった。結婚した相手は優しく自分を決して押し付けないタイプで、一方の愛人は肉体のみを求める冷たい自分勝手な男性である。
主人公の女性はクールな愛人とそのセックスに惹かれていて結婚後はもう会わないと思うだが本能に逆らえずに自由になって会いに行くことになる。主人公は結婚することである意味そんな関係を断ち切るための防波堤の役目を期待したのだった。
映画の冒頭に素裸でベッドを出てバイク用の上下一体の皮ジャンに身を包むシーンが強烈な印象を与える。たいていの男性は美しい裸体とキュートな顔にたちまち虜になってしまうだろう。
アラン・ドロン(1935年〜)が甘いマスクながら精悍な男性を演じている。撮影年が1968年なので、マリアンヌ・フェイスフルが22歳, アラン・ドロンが33歳ということになる。やはり映画を観る楽しみの一つに美しい俳優が画面に出てくることが重要な要素になると思えるのだった。