Amazon Primeで映画やドラマを最近よく見ています。コロナ問題で外出自粛制限のために自宅で過ごす時間が増えているのが要因ですね。「最高の人生の作り方」(2014年)は、マイケル・ダグラスとダイアン・キートンのW主演で老境の恋愛が描かれています。
原題は、And So It Goes です。Billy Joelの歌にもありましたが、「そして今は」自然にこうなっちゃいましたっていう感じの軽快で日常風景のような表現なんですね。邦題は少し重すぎて、お隣さんの幸せカップル誕生みたいな本来の微笑ましさが希薄です。
物語は、妻を亡くして独り身で偏屈気味の不動産業のM・ダグラスとお隣に住むやはり夫を亡くした独り身のD・キートンが、ダグラスの孫の面倒を見ることになって協力する中で互いに惹かれていくというストーリー。ハッピーエンドな心温まる話ではあります。
孫=9才女子の世話をしたり、仕事を斡旋したり、息子の無実を晴らしたり、出産を助けたりと、周りの人と深く関わり、人のために行動することで、人の笑顔や温もりを感じて、最終的には人を好きになるという、孤独で偏屈だった老男性が幸せを獲得してゆく話です。
人は人と関わることで本来の人間性が発揮されて人当たりや表情も変わっていくことができるのですね。前向きで積極的になって人生が好転していくストーリーは独り身で閉じこもりがちな老男性に勇気とエールを送ってくれます。
人間関係の軋轢や葛藤、男女の自然な会話や機微、また、ベッドを共にするシーンなどもあったりと、どこにでもありそうなナチュラルで日常的というのもいいですね。特別なシチュエーションではなく、誰しも身の回りを見渡せばあり得そうな風景です。
M・ダグラスとD・キートンの撮影当時2014年の年齢は、各々、1944 年と1946年生まれなので70才と68才くらいですね。ダイアン・キートンは若い頃から知的で上品な印象が素敵な女優として人気がありました。年老いてもとてもいい雰囲気があって、こんな女性が近くにいたら年甲斐もなく恋愛感情を抱くのも無理ないだろうなと感じました。
最後の方のシーンで、D・キートンがThe Shadow of Your Smileをジャズ風に歌います。映画「いそしぎ」の美しいテーマ曲ですね。決してうまくはないけど味のある歌唱です。D・キートンは前振りのトークでこの歌が好きなこと、初恋のこと、愛の夢を語ります。そして、歌唱後にM・ダグラスが会場に来ていることに気がつきます。いい流れです。さすがにエンタメ映画だと感心させられます。
9歳女子のサラ役のスターリング・ジェリンズがとても可愛いです。現在は写真(右)のように素敵な女優さんに成長しているようでこれからが楽しみです。