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脳出血の予防と対策

脳血管疾患として、脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血の3つが主疾患です。今回は脳内出血の予防と対策について調べた結果をまとめます。脳内出血は文字通り脳の血管から出血する疾患で、出血した血液は固まって血腫となります。血腫は脳細胞を損傷したり圧迫したりすることで大なり小なり脳機能に障害をもたらします。

脳内出血の原因は、高血圧や動脈硬化によって痛んだ血管が破れる・裂けることで起こります。高血圧性の脳出血が最も多いと言われており、血管が脆くかつ血圧も高くなる高齢者ほど脳出血のリスクは高まります。

出血部位は、大脳、小脳、脳幹で起こりますが、大脳基底核部(被殻や視床と呼ばれるところ)が最も起こり易く、約80%を占めます。この大脳基底核部で出血が起こると反対側の半身麻痺が起こります。

脳内出血を発症すれば手足の半身麻痺やろれつが回らないなどの症状が起きます。発症する時間帯は夜よりも昼間の活動期が多いようです(約60%)。発症後、半身麻痺や言語障害などが急速に進展し、約6時間後に最大に達します。意識障害は軽度のものからこん睡に陥る重症の場合もあります。

また、発症に伴い、頭痛、嘔気、嘔吐(おうと)があります。高血圧症が背景にあることがほとんどで、発症時の最大血圧は200mmHg以上となることもたびたびであるようです。高血圧の管理不十分(内服の自己判断での中止など)の人に多く、血圧のコントロールがうまくいっている人は、出血しても小血腫で予後も良好なことが多いとのことです。

半身麻痺、ろれつが回らない、視野の異常などの異常があればすぐに救急治療を受けなければなりません。脳内出血の検査はCTあるいはMRI等の画像診断によって行われます。詰まったりしていないかを見るには、血管撮影、MRA(磁気共鳴血管造影法)、超音波検査が、また脳を流れている血液の量をみるためにはRI(放射性同位元素)などの検査が有効です。

症状の似ている脳梗塞との区別は、出血の場合、CTで白く見えるので一目瞭然です。病気の起きた直後からわかります。一方、脳梗塞は血管が詰まり、その先の脳細胞が壊死する病気で、壊死した脳組織は黒く見えます。しかしながら、CTでわかるようになるまでに少なくとも数時間以上かかります。

高血圧による脳出血の治療は、内科的治療が主に行われます。血圧を正常値まで下げて、安静加療を行います。出血量が多い場合には頭蓋内圧を下げる点滴薬を使用します。手術適用については、脳出血治療のガイドラインに定められており、基本的には血腫を除去することを目的に内視鏡を用いた手術が行われます。

脳出血の予防は、高血圧を抑制することです。まずは、習慣病としての高血圧症の人は、専門医を受診して必要に応じて降圧剤の投与を受けることであり、きちんと飲むことです。血圧計を購入して血圧測定を行って管理するのがベターです。

また、低塩食を心がけたり、過度のアルコール摂取や喫煙を禁じる、さらには、冬の入浴時の寒さ対策や大便時に力み過ぎない、また、適度の運動習慣を取り入れて肥満にならないなど、日常生活において高血圧にならないよう注意したいところです。

(参考)国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
    「脳出血 最新情報と対処法」

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